恋ではなく--It's not love, but so where near.

2019年08月23日

今回紹介しようと思うのは「恋ではなく--It's not love, but so where near.」という作品になります。


他人称視点から描かれる、いわゆる倒錯系のシナリオに近いものになっていますが、誰が話をしているのか・考えているのかはわかりやすい設定になっています。

それでもお話自体が結構長いのもあって、くり返しプレイしていると「あれ、誰が何を知っていて、誰が何を知らないんだっけ?」と話の流れがごちゃごちゃして分からなくなるかもしれません。実際僕は「今だれ視点で話進んでたっけ・・・?」と時々なっていました。

ヒロイン一人でヒロインと関係を結ぶ間がルートになっているといった感じのかなり珍しいタイプの作品です。

青春の真っただ中、お互いを思い合い、それ故に言葉足らずですれ違っていく。その中で過去の些細なことがきっかけでお互い、もとい事情を知っている人間は誰も踏み込めず、偶然によってそれぞれのキャラクターたちが成長して、それぞれの道を歩んでいく。そんな風に見えました。

それぞれのキャラクターが個性的でこの作品のストリーでもある「一本の映画を撮る」というものをまさに見せつけられているような気分になりました。

特にOPではカメラのファインダー越しに「このキャラクターたちの世界をのぞき込んでいる」といったような感覚になるというか、自分も一緒になって「一本の映画を撮っているのでは」と錯覚させられました。

EDも「ああ・・・」っとなるもので、グランドルートのEDでは「実際にゲーム内で取っていた映画のシーンを映しているのかなあ」と思い、最後の最後に物語の根幹・支えていた部分の中身を見せつけられて、ちょっと頭がパンク気味です。

人と人との間における信頼関係というか、信頼しているがゆえに言葉足らずですれ違いを起こしていたりする描写は妙にリアルで、それがどうしようもない状況になって、つい言葉になってしまった時に「ああ、お前はそういう風に思っていたのか」とか「そんなに重く考えていたのか」とキャラクター同士が気付き、それに対して向き合っていく姿っがとてもよかったです。


一応エロゲに分類される作品ですが、大半はシナリオがメインなので「シナリオゲーに飢えている方」はやってみてもいいのではと思える作品です。

あと、めっちゃ撮影器具・特にカメラに関して詳しい作品になっているのでそういうところでもかなり変わった作品かなあと感じます。

個人的にはそういうのはとても好きです。


しゃんぐりらすまーとさん、良い作品をありがとうございます。


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